2011年11月23日水曜日

30代は、修行の時なり。

今日は実はお休みを取って家にいました。

理由その1は、午前中に電気屋が何かの点検にくることになっていたため(しかも、5回くらい訪ねてきていたみたいだけれど、毎回私は家にいなかったので、そろそろしびれを切らした張り紙がドアに張り付いていた・・・すみましぇん。)

理由その2は、午後に来年のポジションの電話面接があり、オフィスメートの横でインタビューを受けるのも嫌だったので、家で電話を受けることにしたのでした。で、どうせオフィスに来ても、面接の準備と緊張で仕事できないだろうし、かといって、やたら邪魔が入って準備すらできないだろうし、ということで。

ちなみに、私のオフィスは、本当に邪魔に来る人が多い。もちろん、アドホックに仕事をお願いしに来る人は当然多い。愚痴を言いに来る人も多い。私の引き出しがいつしか共有のお菓子入れになっているので、休憩しにくる人、お腹が減ったら助けを求めて来る人も多い。色んな情報が集まるし、気分転換にもなってたいがい光栄なんだけど、本気で終わらせなければ死ぬような仕事がある場合は、有給とって家で仕事したりして・・・。

ちなみに、面接はまあまあでした。面接の後は決まって一人反省会。あぁ、なんでああやって答えられなかったんだろう、こう言えばよかった、って後悔いっぱい。特に、1つのテクニカルな質問で、一度答えたら「そこ、もうちょっと詳細言って」と突っ込まれて、おいおい、上司、そこ、つっこむかよ、と思う間にアワアワしてしまいました。あーあ。悔しい。

でも、面接って、TOEFLと同じで訓練と場数なんだろうな、と思った。今回は、面接官が自分の上司ばかり3人だったので、良い練習になりました。あと、私は咄嗟に準備できていないことをしゃべれない(つまり、頭の回転が遅い)ということが再認識され、今後の課題が浮かびあがりました(コミュニケーションのトレーニングでも受けようかな・・・)。

ちなみに先週も怒涛のように過ぎ去り、しかも、最後のほうに、ついてないことがいくつかあって、ちょっと落ち込んだり、同僚と兄弟げんかのようにやりあったりして、精神的に疲れました。やりあいしてしまうのは、お互い先々週からの疲れが溜まっている性もあるんだよね。よくない、よくない。

ちなみに毎回ちゃんと仲直りするし、今日も面接終わった瞬間に「おわったよぉぉぉ」って真っ先に電話した相手は彼だし、「本気でやりあえる兄妹のような仲間がいること」の幸運を思うのですが、同時に、エネルギーを結構消耗するので、本当はやりあいたくないの。でも二人とも頑固なのよね。

これは、(1)他人の意見を素直に受け入れる寛大な心と、(2)それでも自分の信念を貫きたい場合には、相手と波風立てずに相手を洗脳?する技術を身につけるための神様からのチャレンジだ、と考えて、訓練をつみたいと思っております。。。30代は、修行の時なり。辛い苦言も、不条理なアタックも、逃げずに心静かに聞き入れ(あるときは聞き流し・・・)、心に波風立てずに、落ち着いて対処できるようになりたいと思います。30代、試練がいっぱい。

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そんなわけで、相変わらず、できる限り遊びを交えて気分転換を試みる毎週末。

先週は同僚たちと、車で5分のフランス国境をわたった先の土曜市場へ『醤油』持参で繰り出し、久々の刺身と生牡蠣(皿をオーダーすると、その場で食べれて、しかも無料で白ワインがついてきます)で腹ごしらえ。

この豪快なマグロよ・・・。次回はぜひ、わさびと、ついでにハンドバック的に炊飯器も同伴したい。




それから同僚の自宅マンションが所有する無料テニスコートを拝借して、久々になんちゃってテニスをしました。テニスラケットを握るのは久しぶりたったけれど、右に左にたくさん走って、いい汗かきました。雪が降り出す前にもうちょっとやりたいなぁ。

そして今週末は、まず土曜に、ジュネーブから電車で3時間のルツェルンで、チューリッヒから来るナム氏と合流(チューリッヒからルツェルンは40分くらい)。その近郊のティラピス山へ向かいました。

ティラピス山は、世界一勾配のきついラックレール登山電車で登ります。この傾斜・・・。



これに揺られて40分上に上にあがると、雲の上に到達します。



雲海とそこから突き出た山々を肴に、ホットワインをちびるわたし。わたし、頭がツクシ化しているよ。



こんな高いのに、なぜかカラスがいっぱい。




そこから今度はロープウェーで下山し、その夜はルツェルンのバックパッカーホテルへ(社会人になっても、相変わらず倹約旅行でし)。

翌日はチューリッヒに戻り、朝からオペラハウスのベネズエラ・ユースオーケストラ公演へ参りました。

ベネズエラでは、政府資金と寄付を使って、元ストリートチルドレンたちを含めた子供たちに放課後に楽器を教えて、子供たちを犯罪から守る、という教育制度を実施して、200以上の青少年オーケストラを運営しているそうなのですが、今回見に行ったのは、その選抜隊のヨーロッパツアーでした。

オーケストラのクオリティを判断する専門知識のないわたしですが、若さゆえのパワーと躍動感、そして、体は大きいけれど、まだ顔はあどけない子たちが音楽に陶酔して楽器を奏で、最後に晴れ晴れと達成感に溢れている様子に、とても感動しました。



Simon Bolivar、素晴らしい試みだと思う。オーケストラを上から眺めてつくづく思ったこと。これは、まさに社会、そして組織の縮図だなと。同じステージに立った演者それぞれ、楽器によって、タイミングによって、目立つべきところ、控えるべきところ、立場も役割も違う。けど、1人でも欠けたらいけない。全員が必要。そして、全員が指揮者を信頼して、指揮者の示す道筋にしっかり合わせて、全員一丸となって、お互いを補い合って、一歩一歩進んでいくことによって、最終地点に到達して、ひとつの題目が完成される。そんなことを体で学んでいく経験。しかも、普通だったら、比較的裕福な家庭の子供にしか足を踏み入れることのできない世界だけれど、ベネズエラ政府は、自らの資金で全ての子供たち(例えストリートチルドレンにも)に同様に(おそらく、I hope…)チャンス(つまり楽器)を与えている、っていう。そんなことを考えて、本当に感動しました。

こういう教育制度、世界中でやったらいいのにな。こういうところにこそ、どんどん投資すべきだよ。

なかなか素敵な週末でした。明日からまたポジティブに頑張りまふ。

2011年11月5日土曜日

きのこと議事録との戦い

この1週間、また色々色々あったのですが、結果として、さわやかな達成感を持って迎えております今週末。今週末はもう仕事しないぞ~ O(≧▽≦)O

まず先週末。
仲良しをお招きして、我が家で小さなホームパーティを開きました。今回は、ナムが「みんなにベトナム料理を作る!!」というので、わたくしは食器洗いに徹しました。メニューはフォー、揚げ春巻き、揚げ豆腐、豚団子ハーブ巻き、Xu Xu (ハヤト瓜)、サラダ、トロピカルフルーツポンチ。



ナム氏、Good jobでした。これに懲りず、ますます料理のレパートリーを増やし続けて、わたくしの食生活を豊かにしていただきたいと思います(ナムがいない平日の私の食事はそれはそれは乏しいもので・・・汗)。

ちなみに、ゲストの1人は生後6ヶ月のお嬢様、もう1人は1歳半(だっけ?)のお兄様。我が家はまるで託児所のようで、癒されると同時に、「母となること」に要求される凄まじき強靭さ(精神的にも肉体的にも)をまざまざと見せ付けられました。みんな、すごいよ。心から尊敬します。私なんか、まだまだ自分だけで精一杯・・・ (; ̄д ̄)

水曜からは、とある専門家会議に缶詰でした。会議の目的は、住血吸虫を世界から本気で制圧していくための戦略計画を策定すること。

私は、別の2つの寄生虫症疾患の戦略計画を担当。今回の住血吸虫は私の同僚が担当していて、私はあくまで、今後10-20年で必要となる駆虫剤量を予測して発表するだけの役割。なので、月・火でしこしこ分析・プレゼン作り。

精神的に煮詰まってきたので、火曜の昼休みにロシア人の同僚で、自称きのこ博士であるところのDr Mushroomと一緒に、車で10分のところにある森へ行き、お散歩しながら、野生きのこ狩りをしました。ロシアではきのこ狩りは国家スポーツで、同僚はソビエト連邦が解体して給料が払われなかった数ヶ月は、毎日奥さんと森に行って、きのこを集めて食いつないでたんだって。



ロシア語→英語→日本語翻訳によりますと、『ナラタケ』というきのこのようです。ただし、その夜は疲れきっていたので、きのこたちはそのままに、私はベッドへ・・・zzzz

そして、水曜。
会議に出席するや否や、いつの間にかRapporteur(報告者。会議の議事録を作る人)に任命されてしまった ∠( ゚д゚)/ 「え」 聞いてないよ。そして、会議後。翌日のディスカッションに向けて「本日のサマリー」をまとめ、そこで終わってもよかったんだけれど、このまま明日の会議が始まっても、ディスカッションが宙に浮いて、金曜までにみんな好き勝手に討議して、結論が出ないのが眼に見えていた。住血吸虫の会議は今まで大概がそういう感じで終わっていたのを知ってる。

担当の同僚に「ねぇ、ねぇ、こういうの作らないと、明日明後日は大変なことになるよ」と一応耳元で囁くけど、反応はいまいち。知らん振りすることもできたけれど、住血吸虫で苦しむ子供たちのことを考えたら、もうこれは自分でやるしかない。『議事進行プレゼン』を作る覚悟を決めました。メールでやり取りしてできることは全部後回しにして、この2日間でみんなで頭つき合わせて決めなくちゃいけない項目(目的地)を絞って、それぞれの項目のディスカッションをさらに目的地まで操縦するための道筋を担うプレゼン。

ただし、先にきのこの下準備をしなければ・・・。

ということで、疲弊しつつも、Dr Mushroomの教えに従い、(1)まず軸をとって、綺麗に水洗い(まだ、なめくじとか付いてた)、(2)少量の水で10分ボイル、(3)茹で汁を捨てて、水洗い、(4)調理した・・・つもりだったのですが、疲れきっていたため、茹で汁をちょっと使ってスープにして(ほら、乾し椎茸のだし汁って、美味しいじゃない・・・)、ご飯にかけて飲んだしまった!

それから!!!お腹がぎゅるぎゅる・・・おえっ、吐き気はするしl、頭は痛いし、PCのスクリーンを見つめる体力が・・・(でも、一応言っとくと、きのこ食べる前から、疲れきっていて、体力なかったのね)。

そこで思い出したDr Mushroomの一言「ヴォッカは、風邪の引き始めや細菌感染の万能薬」。Dr Mushroomが我が家に貯蔵?しているヴォッカ瓶から1ショットをごくり。そして、その夜は早めにベッドへ・・・ZZZZ

木曜。
翌朝5時半に起きて、激しい下痢ぴ(失礼!)と戦いながらも、プレゼンをつくり、なんとか会議へ向かいました。

その後も2日間、Rapporteurとして会議に缶詰。ただし、この『議事進行プレゼン』のおかげで、木・金の2日間のディスカッションは作戦に全く忠実に進み、焦点がはっきりと絞られたおかげで、討論も白熱して、金曜の会議の終りには「久々に興奮したよ!とても面白い会議だった!」と専門家の皆様に感謝してもらい、さわやかな達成感を得ました。

体力的には最悪で、途中で何度か頭痛薬と下痢止めを飲みながらの戦いだったけれども、諦めずに最後まで歯を食いしばって頑張った甲斐があった。

某先輩が言ってた。「黒子に徹し、プロデューサーたれ」と。

会議ひとつ開くにも大きなお金を使う。お金を使うからには、絶対に成果を出すのが責任。会議の企画者は、プロデューサー。世界中から招待されてきた専門家たちは俳優。プロデューサーは、その会議のディスカッションの目的地を事前に見据え、シナリオを作り、俳優たちの専門性を上手く引き出しながら、目的まで裏で動かしていく。今回の経験は、自分にとっても、大きな勉強と自信に繋がりました。

そして・・・黒子も、やっぱりその裏の努力を認めてくれる人がいると、嬉しいよね。人間だもの。

ちなみにDr Mushroomが、私の戦いの逸話を聞いて一言。「あや・・・君がやったことで正しかったのは1つだけ・・・それは、最後のヴォッカね・・・。」  ちなみに下痢にヴォッカは効くらしいんだけど、嘔吐にヴォッカは最悪らしい。ロシア理論。

みなさま、野生きのこにはお気をつけあれ~。ちなみにスイスでは野生きのこ狩りは割と一般的で、スーパーに『きのこ判別辞典』みたいなのも売っています。フランスでも薬局に野生きのこ持って行くと、鑑別してくれるそうです。