2012年1月21日土曜日

職人的人生

今週は素敵な出会いがありました。

お世話になっている先生のご紹介で出会った方で、3日ほどお世話(というほどでもないけれど)させていただくことになったのですが

ご自身、医学部を出られ、アメリカで免疫学の研究をつまれつつ、臨床も続け、最近では国境なき医師団で紛争地に行かれていた、という優秀な経歴の持ち主であるにも関わらず、いや、むしろそのせいか、

とても謙虚で、優しく、暖かく、ゆったりと、しかし凛とした美しい女性で

私にとっては、年齢でも人生の大先輩な方でしたが、「あぁ、こういう女性になりたいなぁ」と心から思える素敵な女性でした。

私は、仕事への情熱ではなくて、昇進・権力という意味でのアンビションにぎらぎら燃えているような女性がどうも苦手。

彼女のように、肩に力が入らず、おだやかに、ゆったりと、でも心の奥底に一筋の情熱を灯してまっすぐ進んでいくような女性になりたいと改めて思いました。


なんだか最近、「キャリアアップ」という言葉に戸惑いを感じるんだよね。自分のキャリアだけのために仕事をしているような人、を見るにつけ、違和感を感じるんだよね。

私たちは、個人のキャリアアップのためにお給料もらって仕事しているのではないんでないか? 仕事をする目的が、個人のキャリアアップ、だなんて、自分の仕事のカスタマーに失礼ではないか?そもそも、そんな人生、寂しくないか。

医者は病に苦しむ患者のために、公務員は市民の生活の質の向上と維持のために、弁護士は困っている市民のために、土木技師は市民が快適且つ安全に生活できるためのインフラを提供するために、仕事をしているのでは、いや、すべきなのではないのかな。そして、もっと患者さんを助けるための知識と技術を身につけるために、確実に市民を守れるようになるために、カスタマーにより質の高いサービスを提供できるように、さらに勉強をしたり、技術を磨いたり、資格を取ったりする。それが筋なのではないかと。

ときどき「国連で働くためには、何を勉強したら、どんなキャリアパスを取ったらいいのですか?」と聞かれる。「分野は何でもいいから、国連で働きたい」って。そういう人には、私はこう答えてる。

「『国際公務員』になることは目的ではなくて、あくまで目的を達成するための手段の1つに過ぎない。まず自分が情熱を持って一生をささげたいと思える(或いはささげるに値すると思える)専門分野と人生目的(Mission)を見つける。

その目的は、恐らく公務員でも、研究者でも、民間でも、NGOでも、それぞれ異なる形で達成して、社会に貢献することができるはず。そんな中で、どんな立場に属するのが自分にとって最もふさわしいかを見極める。そして、目的をより高い資質で確実に達成できるようになるために、修行を積む。

日々まじめに、こつこつと、修行を積んで、質の高い仕事をしていれば、人も、評価もおのずとついてくるし、ネットワークも自然に広がって、どんどん道は開けていく。そう私は信じてる。」って。

私だって、今はこの機関で働いているし、しばらくはここでやっていこうと思っているけれど(まぁ、いつまで続くかは別にして)、それはこの機関に固執することが目的じゃない。自分のミッションを遂行するために、今は、現職機関が行っている、政策とインフラのグローバルスタンダードを作っていくことの重要性とその影響力の大きさを信じているから。でも、いつかは「政策決定のもとになる科学的根拠を創出する研究者」になっているかもしれないし、或いは、「もっとボトムアップのアクションを作り出していくためNGO」を立ち上げているかもしれないし、はたまた、「色々なアクターがより効率よく情報共有して、タスクシェアをすることによって、世界の動きをAccelerateするためのビジネスモデル」を作っているかもしれない。立ち位置は変わっても、向き合っているミッションは変わらない。

昨夜、友人と話していた。

「1つのことをやり遂げる美しさ」

あっちにもこっちにも手をだすのではなくて、1つの専門分野を極め、一生を情熱をもってそこにかける。そんな職人的人生は美しいと思うし、そういう一生を自分も送りたいな、と思う。

イメージとしては、太い幹がすくっと立っている感じ。そこに関連する枝葉をつけていく。1つのしっかりと太い幹を持っていたら、それを軸に色んなことができるはず。

まぁ、生き方は様々だけどね。少なくともあたくしは、縁あって邁進することになった今の専門分野をもっと太い幹にすべく、まっすぐに進んで生きたいと思います。


・・・・とまじめな話をしたあとに・・・・


今週はもう1つ、私の心を揺るがす出会いがあった!

うふ♪

あたくし、ナム氏が旧正月でハノイに戻っている間に・・・・新たなパートナーをゲットしてしまった♪


晴れて日本車です。日本人がJAPANを応援しなくってどうする、ってことで。

週末に見てたんだけれど、月曜にもう一度会いに行って、恋に落ちて決心。

思ったが吉日(他に色々見て回るのが面倒くさかっただけとも言う)。その場でサインして、木曜に受け取りました。

それから、トヨタガレージ、なぜかシャンパンもくれました。購入したお礼だって。スタッフもみんな感じが良かった(買ってくれる顧客には普通そうでしょ、って思われるかもしれませんが、いえいえ、この国には「サービス」という概念は皆無に近いのであります)。いいぞ、ジャパニーズカンパニー。

「ピッ」って、自動でドアがあきます!自動で窓もあきます!もはや、手でぐりぐり回して開けなくてもいい!「あ~、暑いのに、反対側の窓を開けるハンドルまで手が届かない・・・(ましてや、後ろのドアなんて、絶対に開けられない)」なんていう悲しい蒸し風呂地獄からも解消されます!

ところで、悲しいかな、これまで2年ちょっと一緒に過ごしたミニぼろぼろオペルちゃんは、会えなくスクラップ行きとなりました(号泣)。「あはは、さすがに買えないな」と既に2つのガレージに言われてしまった・・・汗。

これまでありがとう。あの世でも元気でな。いや、むしろ、パーツ、パーツに分解されて、アフリカにでも売られて、あとさらに50年くらい大事にされて、第二の人生を生きていってほしいと心から願うのであります。

あ~、仕事しながら、ニューパートナーが気になって気になって、昨日は1日気もそぞろ(笑)。もっともっと運転したいな~、と新しいおもちゃを手に入れた子供のような気持ちで迎えた、嬉しい週末です。

2012年1月16日月曜日

仕事初めのWeek 1。

仕事始めの1週間は無事終了いたしました。

チームメンバーの多くが今週から仕事開始だったので、ゆっくりとスタートした1週間。このまま、こういう地に足がついた感じで1年間進んで行きたいのであります。

フランスでは1月6日に、ガレット・デ・ロワという、パイ菓子の中に紙の王冠がのっていて、陶器のおもちゃが中に1つだけ隠れているケーキをみんなで切り分けて食べて、陶器のおもちゃが当たった人が王冠をかぶり、幸運が1年間続くということで祝福される伝統があるそうで、われ等がチームでも月曜にみんなでこれを切り分けて食べました。


そしたら、あたくしの歯にがりっと陶器のお人形が当たりました。そしてみんなに「うわー、あやが今年のクイーンだー!!!」と言って王冠を被せられました。今年はいい年になるらしいです。やったね。 これこれ、王冠とBaby キリスト。



ちなみに先週の金曜は食堂に、ガレット・デ・ロワが置かれていて、ただでみんな取って行っていいことになっていたらしいのですが、そのガレット・デ・ロワではなんと、同じチームの某日本人大先輩がクイーンになったらしいです。チームメートから「うちのチームの日本人は今年絶好調らしい」とびびられました。ちなみに、私とその大先輩は、数少ない日本人の中でも配属チームも同じ、誕生日も同じ、実家も隣駅・・・と恐ろしい縁で繋がっているので、「また一緒!」と私自身もびびるのでありました。


今週は初めてオフィスで健康診断もありました。これがまた大変ラフな健康診断で・・・。

血液検査で「HIV検査もやる?」「うーん、無料ならMaybe(貧乏性なもんで)」「MaybeじゃなくてYesかNoかで答えて。」「えっと、じゃあ、Yes」。

これ、後から同僚に話したら、「HIV検査は結果が大きな精神的負担を生みうるから、検査する前には、医師はしっかりとテスト前カウンセリングと、テスト後カウンセリングを提供する義務があるんだよ。そんな、YesかNoかで答えさせるなんて言語道断!」と憤慨していました。たしかに。

尿検査、はよし。

視力検査では、いきなり「この板もって(板の上に、新聞のような記事が色んな大きさで書いてある)、片目隠して、どの大きさまで見えるか言って」と言われ「えっと・・・板と目の距離は・・・?」「適当に。」「・・・」

次、心電図の吸盤を体中につけられ、「最近身長と体重計った?」「えっと、体重は自宅で計ってます。」「いくらだった?」「○○キロ」先生、記録用紙にメモメモ。計らないんかい!

翌日の結果は、健康優良児ということでした。ちょっとした驚きは、ヘモグロビン値が男性並みに多かったこと(14.9でした)。自分は貧血気味だとこれまでの人生信じ込んでいましたが、むしろ多血ぎみ。 水分不足かストレスか。とりあえずは、しっかり水を飲むようにきをつけましゅ。


今年の抱負に忠実に、週末は丁寧にお料理もしました。日々食べているものが私たちの体を作っているということで、「食費はけちらない」、というのがナム氏から命じられた家訓であります。

こくまろカレー。 



ちらし寿司とごぼうのきんぴらと、ナム氏作のつぶ貝スープ。



金曜、ナム氏はベルギーへの出張帰りだったのですが、お土産のベルギービール(大瓶)を1人で飲んで、酔っ払って「なんだか、昔のことが走馬灯のように見えてきた」とか言うので、あせりました。ビールでそんなに酔うなよ・・・(汗)。




週末は、先月3度目の正直でナム氏が運転免許取得に成功したので(これまで、バイク免許しかなかった)、今にもご臨終しそうなマイカーをアップグレードすべく、日本車ガレージを回り(今回はJAPAN応援のため、日本車に絞っているのだす)、色々お勉強いたしました。結局決まらなかったけれど、リースする場合、しない場合、中古車買う場合と新車買う場合、色々バージョンでコストを計算した結果、新品に近い中古車をリースなしで購入する方向に行きそうです。

日曜はひたすら、とある本を読んでいました。この本については、別途書きます。

明日からも早寝早起きで頑張ります。もう寝なくっちゃ(21時)。
みなさまも良い1週間を~。

2012年1月9日月曜日

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

しばらく冬眠してました(あと、初めてスペインに遊びに行っていました。この話はまたおいおい書きます)。

2011年は世界でも、東北大地震と津波を筆頭に、天災や偉人の死に次々と見舞われた激動の1年でしたが、私自身の歴史にとっても、なかなか特別な1年と言えたかもしれません。

というのも、自分の一番の応援者であったおじいちゃんが永眠しました。それから、心から尊敬し慕っていた職場の同僚が過労死しました。この2人の死は、自分の人生を顧みる大きな機会となりました。

本職では、完全なるワーカホリックでしたが、たくさんのことを学んだし、経験できたし、それなりに成果も出せて、まずまずの充実感を得ることができました。

そして、燃え尽きるまでやりきった結果として、職場での自分の居場所がしっかりと確立できたし、自分を守ってくれる上司・同僚たちに恵まれ、これまではJPOJuniorProfessional Officer)といって、日本政府からの派遣という形での雇用だったのが、2012年 からは我が機関の正規雇用スタッフとなることができました。とはいえ、我が機関は不況に伴うリストラ地獄の真っ只中で、新規採用は完全に凍結されてしまっ ている悲しい状況にあるので、人事ルールの穴を掻い潜った任期つき新規採用なんだけど・・・でも、今もらえるものとしてはベストなので、上司たちに感謝しています。

でも燃え尽きた(?)ゆえに、明日からの仕事、いきたくにゃ~い(泣)。そんな自分に鞭打って、心入れ替えるために、この日記を書いております。

以下、2011年初めに書いた去年の抱負を達成できた順に振り返ってみると・・・

)『伝播』対策の専門性を高める 土壌媒介蠕虫症と住血吸虫症の疾病別の伝播対策の世界戦略策定に、本格的にがっつり取り組むことができた。

) 今年こそハーフマラソン走る!プラハハーフマラソン、走ったど~。

) 本をたくさん読む。→2010年に比べると、意識的に本を読む時間は増やせた。

) フランス語 中級レベルに!わっはっは。まったく進みまへんでした。でも、本職と、本職に関わるお勉強を優先したので、仕方ないべ、と言い訳しておきます。

) 社会活動開始!頭の中で構想は少しずつ暖めつつ、結局実行できず。どうしても仕事優先で、いっぱいいっぱいでした・・・。とほほ。この余裕ができるには、もう少しかかるかな。

さて、2012年の抱負は・・・

1) Exampleとなるように仕事をする

去年までは上司ら何人ものサポートとアドホックな仕事山積みで追われる日々でしたが、今年はしょっぱなから自分の責任下に任されているプロジェクトがいくつ かあります(その中には、誰かに任された訳ではないけれど、プログラム全体を俯瞰して見て思いついて、自分で企画・着手したプロジェクトがいくつかありま す)。これに上司達のサポートとアドホックな仕事が続くので、今年はますます忙殺されることが予想されますが(悪夢です)、楽しみでもあります(かろうじて)。

これを乗り切るために、自分のプロジェクトについては、基本的なことだけれど、

最初に目的地を決め、1年間のスケジュールとマイルストーンを設定して、

しっかり情報共有して、チームワークを育んで、

密かに根回り忘れず(ここポイントね)、

途中途中で進み具合を確認・修正して、眼に見える成果を出す、

という一連の仕事の流れのモデルのようなものを今年確立してみたいと思っています。

) 体力つけて、疲れないパワフルな体づくり

去年は後半から疲れて食欲がなくなって、すると余計疲れて、「常に疲れて、体はバリバリ」という負の体力サイクルに陥っていました。だから、年始から風邪引 いたし。「痩せたよ」とみんなに心配されました。いつしか、疲れきっている私を見かねて、週末はナムが食事をつくるようになっていましたし(これは、ぜひ 続けていただきたく候、えへへ)。

疲 れていると、パワーがあればモリモリやれたであろうに「まぁ、いっか」ってやらないことにしてしまうことが、どうしてもできてしまう。そんなことがないよ うに、常に元気溌剌でいるために、今年は丁寧に暮らして(早寝早起き、毎日よい食材をつかって、ちゃんと料理する)、食べる量も少しずつ増やして、しっか り走りこみたいと思います。

) しゃべるスキル向上

わたしは、昔は初対面でも誰とでも話せる人だったのですが、最近初対面の人と何を話していいのか分からず困ることが出てきました。特に仕事の席でそう。よっ て、会議の後の懇親会が苦手で、同僚たちと固まってしまう・・・。特に前もって準備していないとアワアワしてしまうので、面接も苦手。なんでだろう。思う に、昔は誰にでも人として興味があったし、初対面の人とも会話を作り出す心のゆとりとパワーがあったのではないかと。それを失っている昨今のあたく し・・・。

今年の目標は、誰とでもおしゃべりを楽しめるようになること。このために、

たくさん本を読んで、しっかり遊んで、心の余裕と教養を深め、

日々自分の考えを簡潔にまとめる訓練をして、

意識的に人に話しに行くように努め、

誰にでも興味をもつような好奇心を育みたい

と思います。

) 本職以外のお勉強を着実に進める

教養と語学は一生の課題なり。今年は、去年以上に本をたくさん読みたい(冬眠中に、Amazonで本を大人買いしました。うふふ)。そのためにも、ネットから少しずつ離れて、読書をする時間を意識的に増やしたい2012年であります。

それから、今年前半は、ここ数年続けている2つめの修士課程のお勉強をしっかり終わらせて、後半にフランス語の勉強に移っていきたいです(3度目の正直なるか、わたし・・・)。

あと、去年はだんだん余裕がなくなって、このブログの更新も月1回程度に減ってしまいましたが、今年はもっと日々の生活を顧みて、日記を書けるように、余裕を持って生活したいと思います。

今年も1年よろしくお願いいたします。

2011年12月21日水曜日

共通言語というもの。

実は今週から休暇のはず(正確には契約と契約の間の強制的お休みです)なのに、昨日も今日も呼び出しくらってずっと仕事。しかも、昨日呼び出してき たのは、「休日に仕事をするなんて言語道断!」といつも私に言っている同僚。大変申し訳無さそうでした(苦笑)。いいって、そもそも2人の仕事なんだか ら。昨日は、「休みたい、休みたい・・・」と心の中でぶつぶついながら、オフィスまで雪の道をてくてく歩いてい たのですが、結局激しいディスカッションの末に議論がまとまって、重要なタスクを終えられ、達成感を得ることができたので、よしとします。

際機関で働く難しさの1つは、思考方法の全く異なる人たちとコンセンサスを得て、ひとつのものを作り上げていかなければならないこと。南ヨーロッパ出身者 の多い我が部局においては、時に「この人たちと理解しあえる可能性は・・・ない!」と断固諦めの境地に速攻ダイブしてしまいそうになることが多々ある。サ ンプル数が少ないので、当てにならないかもしれないけれど、今のところ私はロシア人とはかなり思考回路が一致する(なので、しばしば議論する際の見方につ け、対陣を組む)。日本人はばっちり(当たり前?)。アメリカ人も大丈夫。フランス人とも大概いけるかな。イタリア人とは日々戦いです・・・。

イタリア人で「あ~、この人はO型に違いないな。すごいおーざっぱだもんな。」(でも、面白いアイデアもぽんぽん出してくるから、違う視点で尊敬していま す、一応言っとくと)と信じて疑わない上司から「僕は細かい仕事が得意なんだ。誰も気づかない詳細を細分化してまとめていくのがね。」と本気で言われたと きは、眼が点になって、口から泡を吹きそうだった。「・・・ この、限りなくO型に近いとはいえ、一応几帳面なA型の端くれである、しかも、ただでさえ仕事が丁寧だと一般的に定評のある日本人のわたしに言うか、それ」と心の中で思いましたが、とりあえず微笑んでおきました。何事も相対的ですから、きっと彼はイタリア人の中では「几帳面、細かい」男なのでしょう・・・。

そんな人種の坩堝の中では、例え使っているのは共通言語であるところの英語であっても、全く別の言語で会話している、と思っていい。すると、本気で考えないと、気づかぬまに誤魔化され、流されていってしまうことがたくさんある。特に、きれいな英語にはだまされがち。

でも、その詳細に1つ1つ立ち止まって、本気で考えてみる。ロジックを分解してみる。当事者になって想像してみる。そして、誰もが同一の理解をできるように 図式化してみる。できないってことは、何かがクリアじゃないってこと。「で、何がいいたいの?」「Aのあとに、Bにいって、最終的にどこにいけばいい の?」となることが、ものすごくものすごく多い。

世界基準を作るということは、文化や価値観や経験や立場や思考方法 の全く異なる人たちみんなが、同じものを見て、同じものとして認識し、行動することができるようにすること。そのためには、自分のJudgementを過 信しない。だって、私のJudgementは私の経験と価値観に基づいたものだから。経験がもっともっと増えるまでは、信頼するのは、先人たちの Judgementと科学的根拠と直感。

若手という立場を使って、納得いかないことは、しつこくしつこく質問する。 何度も何度もぶつかるけど、ぶつかっているうちに、少しずつ、各々が見ている方向が近づいて、重なり合っていく。そして、突然突破口が見えてくる。若手だ からこそ貪欲にその努力を惜しまず、有益な議論を引き起こし、合意形成を促進する触媒でありたいと思います。

どんなに忙しくても、私のしつこいクエスチョンに、めんどくさがらずに「I love fighting!」と本気でぶつかってきてくれる上司たちの(いや、Fightingじゃないんだけどな・・・)、わたしは心から感謝しています。

でも今日は呼び出しきませんように、ナムナム。


Though I am supposed to be on contract break from this week, was called out for meetings and stuck in office both yesterday and today. But today, am having a sense of achievement after a big discussion and finally reaching a sort of consensus (in a team).

A difficult thing about working for international organization is that you have to reach consensus and produce a product together with people who have completely different cultural/educational background and ways of thinking (and who all think he/she is the best). 

Beautiful writings and talks often hide deceptions that you could let go unnoticed if you are not paying serious attention but that completely mislead us.  

I stop at every detail, give a serious thought to it, try to imagine myself in a situation where I have to use what we are about to announce/publish, or visualize and conceptualize it. If I cannot, that means there is something unclear about it. I question and question until I am fully convinced. Only after hours of arguing and fighting for a truth, the direction each of us is looking at slowly begins to converge. Then there is a time you suddenly see a way out of darkness. I believe that one of the roles of a junior staff like me is to spare no effort to masticate, visualize and question …  to catalyse and facilitate useful discussion in a team for consensus building.

2011年11月23日水曜日

30代は、修行の時なり。

今日は実はお休みを取って家にいました。

理由その1は、午前中に電気屋が何かの点検にくることになっていたため(しかも、5回くらい訪ねてきていたみたいだけれど、毎回私は家にいなかったので、そろそろしびれを切らした張り紙がドアに張り付いていた・・・すみましぇん。)

理由その2は、午後に来年のポジションの電話面接があり、オフィスメートの横でインタビューを受けるのも嫌だったので、家で電話を受けることにしたのでした。で、どうせオフィスに来ても、面接の準備と緊張で仕事できないだろうし、かといって、やたら邪魔が入って準備すらできないだろうし、ということで。

ちなみに、私のオフィスは、本当に邪魔に来る人が多い。もちろん、アドホックに仕事をお願いしに来る人は当然多い。愚痴を言いに来る人も多い。私の引き出しがいつしか共有のお菓子入れになっているので、休憩しにくる人、お腹が減ったら助けを求めて来る人も多い。色んな情報が集まるし、気分転換にもなってたいがい光栄なんだけど、本気で終わらせなければ死ぬような仕事がある場合は、有給とって家で仕事したりして・・・。

ちなみに、面接はまあまあでした。面接の後は決まって一人反省会。あぁ、なんでああやって答えられなかったんだろう、こう言えばよかった、って後悔いっぱい。特に、1つのテクニカルな質問で、一度答えたら「そこ、もうちょっと詳細言って」と突っ込まれて、おいおい、上司、そこ、つっこむかよ、と思う間にアワアワしてしまいました。あーあ。悔しい。

でも、面接って、TOEFLと同じで訓練と場数なんだろうな、と思った。今回は、面接官が自分の上司ばかり3人だったので、良い練習になりました。あと、私は咄嗟に準備できていないことをしゃべれない(つまり、頭の回転が遅い)ということが再認識され、今後の課題が浮かびあがりました(コミュニケーションのトレーニングでも受けようかな・・・)。

ちなみに先週も怒涛のように過ぎ去り、しかも、最後のほうに、ついてないことがいくつかあって、ちょっと落ち込んだり、同僚と兄弟げんかのようにやりあったりして、精神的に疲れました。やりあいしてしまうのは、お互い先々週からの疲れが溜まっている性もあるんだよね。よくない、よくない。

ちなみに毎回ちゃんと仲直りするし、今日も面接終わった瞬間に「おわったよぉぉぉ」って真っ先に電話した相手は彼だし、「本気でやりあえる兄妹のような仲間がいること」の幸運を思うのですが、同時に、エネルギーを結構消耗するので、本当はやりあいたくないの。でも二人とも頑固なのよね。

これは、(1)他人の意見を素直に受け入れる寛大な心と、(2)それでも自分の信念を貫きたい場合には、相手と波風立てずに相手を洗脳?する技術を身につけるための神様からのチャレンジだ、と考えて、訓練をつみたいと思っております。。。30代は、修行の時なり。辛い苦言も、不条理なアタックも、逃げずに心静かに聞き入れ(あるときは聞き流し・・・)、心に波風立てずに、落ち着いて対処できるようになりたいと思います。30代、試練がいっぱい。

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そんなわけで、相変わらず、できる限り遊びを交えて気分転換を試みる毎週末。

先週は同僚たちと、車で5分のフランス国境をわたった先の土曜市場へ『醤油』持参で繰り出し、久々の刺身と生牡蠣(皿をオーダーすると、その場で食べれて、しかも無料で白ワインがついてきます)で腹ごしらえ。

この豪快なマグロよ・・・。次回はぜひ、わさびと、ついでにハンドバック的に炊飯器も同伴したい。




それから同僚の自宅マンションが所有する無料テニスコートを拝借して、久々になんちゃってテニスをしました。テニスラケットを握るのは久しぶりたったけれど、右に左にたくさん走って、いい汗かきました。雪が降り出す前にもうちょっとやりたいなぁ。

そして今週末は、まず土曜に、ジュネーブから電車で3時間のルツェルンで、チューリッヒから来るナム氏と合流(チューリッヒからルツェルンは40分くらい)。その近郊のティラピス山へ向かいました。

ティラピス山は、世界一勾配のきついラックレール登山電車で登ります。この傾斜・・・。



これに揺られて40分上に上にあがると、雲の上に到達します。



雲海とそこから突き出た山々を肴に、ホットワインをちびるわたし。わたし、頭がツクシ化しているよ。



こんな高いのに、なぜかカラスがいっぱい。




そこから今度はロープウェーで下山し、その夜はルツェルンのバックパッカーホテルへ(社会人になっても、相変わらず倹約旅行でし)。

翌日はチューリッヒに戻り、朝からオペラハウスのベネズエラ・ユースオーケストラ公演へ参りました。

ベネズエラでは、政府資金と寄付を使って、元ストリートチルドレンたちを含めた子供たちに放課後に楽器を教えて、子供たちを犯罪から守る、という教育制度を実施して、200以上の青少年オーケストラを運営しているそうなのですが、今回見に行ったのは、その選抜隊のヨーロッパツアーでした。

オーケストラのクオリティを判断する専門知識のないわたしですが、若さゆえのパワーと躍動感、そして、体は大きいけれど、まだ顔はあどけない子たちが音楽に陶酔して楽器を奏で、最後に晴れ晴れと達成感に溢れている様子に、とても感動しました。



Simon Bolivar、素晴らしい試みだと思う。オーケストラを上から眺めてつくづく思ったこと。これは、まさに社会、そして組織の縮図だなと。同じステージに立った演者それぞれ、楽器によって、タイミングによって、目立つべきところ、控えるべきところ、立場も役割も違う。けど、1人でも欠けたらいけない。全員が必要。そして、全員が指揮者を信頼して、指揮者の示す道筋にしっかり合わせて、全員一丸となって、お互いを補い合って、一歩一歩進んでいくことによって、最終地点に到達して、ひとつの題目が完成される。そんなことを体で学んでいく経験。しかも、普通だったら、比較的裕福な家庭の子供にしか足を踏み入れることのできない世界だけれど、ベネズエラ政府は、自らの資金で全ての子供たち(例えストリートチルドレンにも)に同様に(おそらく、I hope…)チャンス(つまり楽器)を与えている、っていう。そんなことを考えて、本当に感動しました。

こういう教育制度、世界中でやったらいいのにな。こういうところにこそ、どんどん投資すべきだよ。

なかなか素敵な週末でした。明日からまたポジティブに頑張りまふ。

2011年11月5日土曜日

きのこと議事録との戦い

この1週間、また色々色々あったのですが、結果として、さわやかな達成感を持って迎えております今週末。今週末はもう仕事しないぞ~ O(≧▽≦)O

まず先週末。
仲良しをお招きして、我が家で小さなホームパーティを開きました。今回は、ナムが「みんなにベトナム料理を作る!!」というので、わたくしは食器洗いに徹しました。メニューはフォー、揚げ春巻き、揚げ豆腐、豚団子ハーブ巻き、Xu Xu (ハヤト瓜)、サラダ、トロピカルフルーツポンチ。



ナム氏、Good jobでした。これに懲りず、ますます料理のレパートリーを増やし続けて、わたくしの食生活を豊かにしていただきたいと思います(ナムがいない平日の私の食事はそれはそれは乏しいもので・・・汗)。

ちなみに、ゲストの1人は生後6ヶ月のお嬢様、もう1人は1歳半(だっけ?)のお兄様。我が家はまるで託児所のようで、癒されると同時に、「母となること」に要求される凄まじき強靭さ(精神的にも肉体的にも)をまざまざと見せ付けられました。みんな、すごいよ。心から尊敬します。私なんか、まだまだ自分だけで精一杯・・・ (; ̄д ̄)

水曜からは、とある専門家会議に缶詰でした。会議の目的は、住血吸虫を世界から本気で制圧していくための戦略計画を策定すること。

私は、別の2つの寄生虫症疾患の戦略計画を担当。今回の住血吸虫は私の同僚が担当していて、私はあくまで、今後10-20年で必要となる駆虫剤量を予測して発表するだけの役割。なので、月・火でしこしこ分析・プレゼン作り。

精神的に煮詰まってきたので、火曜の昼休みにロシア人の同僚で、自称きのこ博士であるところのDr Mushroomと一緒に、車で10分のところにある森へ行き、お散歩しながら、野生きのこ狩りをしました。ロシアではきのこ狩りは国家スポーツで、同僚はソビエト連邦が解体して給料が払われなかった数ヶ月は、毎日奥さんと森に行って、きのこを集めて食いつないでたんだって。



ロシア語→英語→日本語翻訳によりますと、『ナラタケ』というきのこのようです。ただし、その夜は疲れきっていたので、きのこたちはそのままに、私はベッドへ・・・zzzz

そして、水曜。
会議に出席するや否や、いつの間にかRapporteur(報告者。会議の議事録を作る人)に任命されてしまった ∠( ゚д゚)/ 「え」 聞いてないよ。そして、会議後。翌日のディスカッションに向けて「本日のサマリー」をまとめ、そこで終わってもよかったんだけれど、このまま明日の会議が始まっても、ディスカッションが宙に浮いて、金曜までにみんな好き勝手に討議して、結論が出ないのが眼に見えていた。住血吸虫の会議は今まで大概がそういう感じで終わっていたのを知ってる。

担当の同僚に「ねぇ、ねぇ、こういうの作らないと、明日明後日は大変なことになるよ」と一応耳元で囁くけど、反応はいまいち。知らん振りすることもできたけれど、住血吸虫で苦しむ子供たちのことを考えたら、もうこれは自分でやるしかない。『議事進行プレゼン』を作る覚悟を決めました。メールでやり取りしてできることは全部後回しにして、この2日間でみんなで頭つき合わせて決めなくちゃいけない項目(目的地)を絞って、それぞれの項目のディスカッションをさらに目的地まで操縦するための道筋を担うプレゼン。

ただし、先にきのこの下準備をしなければ・・・。

ということで、疲弊しつつも、Dr Mushroomの教えに従い、(1)まず軸をとって、綺麗に水洗い(まだ、なめくじとか付いてた)、(2)少量の水で10分ボイル、(3)茹で汁を捨てて、水洗い、(4)調理した・・・つもりだったのですが、疲れきっていたため、茹で汁をちょっと使ってスープにして(ほら、乾し椎茸のだし汁って、美味しいじゃない・・・)、ご飯にかけて飲んだしまった!

それから!!!お腹がぎゅるぎゅる・・・おえっ、吐き気はするしl、頭は痛いし、PCのスクリーンを見つめる体力が・・・(でも、一応言っとくと、きのこ食べる前から、疲れきっていて、体力なかったのね)。

そこで思い出したDr Mushroomの一言「ヴォッカは、風邪の引き始めや細菌感染の万能薬」。Dr Mushroomが我が家に貯蔵?しているヴォッカ瓶から1ショットをごくり。そして、その夜は早めにベッドへ・・・ZZZZ

木曜。
翌朝5時半に起きて、激しい下痢ぴ(失礼!)と戦いながらも、プレゼンをつくり、なんとか会議へ向かいました。

その後も2日間、Rapporteurとして会議に缶詰。ただし、この『議事進行プレゼン』のおかげで、木・金の2日間のディスカッションは作戦に全く忠実に進み、焦点がはっきりと絞られたおかげで、討論も白熱して、金曜の会議の終りには「久々に興奮したよ!とても面白い会議だった!」と専門家の皆様に感謝してもらい、さわやかな達成感を得ました。

体力的には最悪で、途中で何度か頭痛薬と下痢止めを飲みながらの戦いだったけれども、諦めずに最後まで歯を食いしばって頑張った甲斐があった。

某先輩が言ってた。「黒子に徹し、プロデューサーたれ」と。

会議ひとつ開くにも大きなお金を使う。お金を使うからには、絶対に成果を出すのが責任。会議の企画者は、プロデューサー。世界中から招待されてきた専門家たちは俳優。プロデューサーは、その会議のディスカッションの目的地を事前に見据え、シナリオを作り、俳優たちの専門性を上手く引き出しながら、目的まで裏で動かしていく。今回の経験は、自分にとっても、大きな勉強と自信に繋がりました。

そして・・・黒子も、やっぱりその裏の努力を認めてくれる人がいると、嬉しいよね。人間だもの。

ちなみにDr Mushroomが、私の戦いの逸話を聞いて一言。「あや・・・君がやったことで正しかったのは1つだけ・・・それは、最後のヴォッカね・・・。」  ちなみに下痢にヴォッカは効くらしいんだけど、嘔吐にヴォッカは最悪らしい。ロシア理論。

みなさま、野生きのこにはお気をつけあれ~。ちなみにスイスでは野生きのこ狩りは割と一般的で、スーパーに『きのこ判別辞典』みたいなのも売っています。フランスでも薬局に野生きのこ持って行くと、鑑別してくれるそうです。

2011年10月21日金曜日

ちょっとした間違いで。

と標題に行く前に・・・。

いつも、朝目覚めて、(超低血圧なので)寝ぼけたままPC開いて、色々いじくっているうちにだんだん眼が覚めてくる、という毎日なのですが、今日もそれをベッドのなかでやってて、たまたまブログの設定にいったら、「スパムコメント」のリストなるものが出てきた。

勝手にフィルターがかかっていることも存じ上げませんでした。しかも、そこに引っかかっていたコメント8つ、どれもスパムではなかった!!! すごく昔のポストにいただいたコメントばかりだったけれど、感動のコメントに、寝ぼけながら、いまさらウルウルしたりして・・・(照)。

コメント書いたのに、なぜか掲載されなかった皆様(言っちゃうと、MIWくん、なまはげさん、しゃかとちゃん、hanaeちゃん、ayalaughちゃんでした。。。) 大変失礼いたしました。。。今度からはこちらもちゃんとチェックいたします(っていうか、スパムフィルター、いらないんだけど・・・)。

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さて、標題。

ハプニングが絶えない今日この頃。今週はこんなことがありました。

私がしこしこデータを分析して(ま、たいした分析じゃないんだけど)作ったファイルを、某パートナー(某有名大学です、日本じゃないです)が勝手にあたかも自分たちの功績のようにウェブサイトに掲載していた。それも、私的には、まだ完成してないし、公にするクリアランスも取れていないから、公になっては困るデータ。

もう一回データと数式を全部チェックして、図表も改善しようと思ってたんだって・・・。今、出されちゃ困るのよ、とほほ。

掲載されているエクセル表のプロパティーに行くと、ちゃんと作成者が私の名前になっている。それはだめでしょ。彼らは某財団から同じ目的のために巨額のファンドをもらっているので(今回初めて知ったよ)、私としては、むしろ彼らには彼らなりのデータ分析をしてもらって、私のデータと比較して、よりよいものを作る、ということをして欲しかったのに、ちょっとがっかり。

地域事務所の担当者以外とは決してシェアしなかったファイルなので、彼らがどこでそのファイルを入手したかすらも謎なのですが、犯人探しには興味なし。ただ、掲載前に許可さえとってくれればよかったのに。クリアランスが終わるまで待ってもらえば問題なかったし、もしかしたら掲載できる形でデータを提供できたかもしれないのにな。ちょっとした間違いで、そのプロジェクトの担当者(相当名の知れた研究者の方なのです)の研究者人生が大きく狂う可能性がでてきてしまいました。個人の問題ではなく、機関と機関の今後の提携に関わる大事に発展しつつあるので・・・。ちょっと、ここまでいっちゃうと、可愛そうだな・・・。

自分も、ますますデータの扱い、他人とのコミュニケーションに気を使おう、と大変良い教訓になりました。これからはデータにはちゃんとロックかけます。自分のため、というよりも、誰かの人生をこんなことで狂わせないために・・・。