そこへ変化が。
今回のミャンマー出張は、同僚A(イタリア人)と一緒でした。この同僚、正確には先輩。私と同じ寄生虫対策を専門に、同じグループで仕事していて、平均年齢の高ーい我が機関において数少なーい同世代(Aが私の2歳上)。彼は3年前に私の現ポストに入り、彼が昇進したと同時に、私がそのポストに入った、という関係でして。いつも一緒で、周りから兄妹のようだと言われ、もちろん仕事もできる男なのでとても尊敬しているし(変人だけど)、何でも1番に相談できる貴重な先輩です。
そんな彼、歴史大好き、異文化大好き、骨董品大好き。時間があれば、タクシー飛ばして、ヤンゴン市内のアンティークショップへ行くもんで、私も毎日お供していたわけですが、毎日のようにアンティーク物を物色しているうちに、私もだんだんとアンティーク物に興味が・・・(苦笑)。面白いのよ~。骨董品から文化が見えてくるということを初めて学んだです。
ミャンマーは漆工芸が有名らしく(行くまで知りませんでした・・・)、金馬漆器いうとても美しい漆塗りの容器を、あちらこちらで見かけました。千利休が使っていた茶箱も金馬漆器だったとか。特にかぼちゃ型の入れ物がとても可愛らしく、先輩Aがあちらこちらのアンティークショップで買い集めているのをいつも見てた私。最終的に自分もかぼちゃさんに惹かれてしまい、最終日空港へ行く途中でアンティークショップに寄って、自分も買っちゃいました。
これは昔の煙草入れだって。
これはなんと・・・第2次世界大戦中にミャンマーに駐屯していた日本兵の刀らしい。包帯でぐるぐる巻きにしてあるのが、なんとも痛ましく。思わず購入してしまった。だって、私のじいちゃんのかもしれん。じいちゃんの友達のかもしれん・・・。いつか日本に私が持って帰って奉納してあげます、という思いで。
でも、買った後に「この刀は人を殺してるかもしれない・・」とか思ったら、なんだか怖くなっちゃって、次の日本一時帰国までスーツケースに忍ばせています・・・。
ちなみに、これら、ぜーんぶ安かったです。どれも2000円以下。じゃなかったら、私が買うわけない(笑)。
ところで、骨董品屋さんを回ってつくづく感じたのが、ミャンマーの伝統工芸の精巧さ。完成度の高さ。すごいよ、ミャンマー。かつてはビルマ王朝として経済的にも文化的にも大いに栄えた国。
そして日本を思うのです。日本人の文化レベルとモラルの高さ。『日本人』として世界から集めている信頼。たとえ経済が危機に陥って、経済規模が縮小されても、日本は『日本』のクオリティーを下げてはいけないなぁ、と。