2009年10月23日金曜日

KICHOCHOいっぱい

昨日はなかなかすごいサンプル見た。

普段は検便なんだけど、昨日は検尿。住血吸虫という寄生虫がいて、スワヒリ語でKICHOCHOっていうんだけど、簡単に言えば、その幼生がいる淡水の水(川とか湖とか)に触ると、皮膚を通して人間の体に進入してくる危険物で、これは便よりも尿に卵が出てくる。

下の湖は一例。うじゃうじゃいます。で、みんな、ここで洗濯して、体洗って。ちなみにみんな、住血吸虫の存在は知ってます。でも「危険だよ」って言ってもみんな口をそろえて「でも、私たちは一度も病気になったことないから、大丈夫。」って。んー、そうか、なら良いか・・・いやいや、良くない。



このカイの中で、幼生が感染形に変身します。




で、ある小学校に行って、適当に生徒10人集めて尿をもらってラボに戻り、検尿すると、うおー、卵いるいる。小学校の先生が「うちの学校の感染率は99.9%です!」と誇らしげに言うのを聞いて「そりゃ、さすがに言いすぎでしょー。しかも、そんな誇らしげに(苦笑)」と思ってたんだけど、10人中感染者5人、しかもheavy infection。

で、スライドガラスにのっけた尿サンプル(正確にはろ過したフィルター)に水を一滴たらすと、すごい!その卵たちが刺激されて、卵の中の物体がくるくる、すごいスピードでまるでUFOか何かのように回転を始めて、そのまま1分くらい顕微鏡を通して見続けてると、突然卵の殻から飛び出て、これまたすごいスピードで泳ぎだす!もはやスライドガラスの上がスイミングプールのようでした。うじゃうじゃ、あっちからもこっちからも、住血吸虫の幼生が泳ぎまくる。。。由々しき結果ではあるものの、正直感動して顕微鏡からしばらく離れられませんでした。



でも、この感染した子供たちのおしっこから、毎日毎日大量の卵が外界に排出されて、感染を広めていってると思うと・・・・あ~、がっくし。こりゃ、なんとかせにゃならん。

で、ステイ先に帰宅してイタリア人医師Stephanoに報告すると(毎日夕食の席で1日の報告をする)頭を抱えて「30年前からほとんど改善してない!なんでだ~」と嘆いておりました。正確には、多少は感染率下がったものの(当時は本当に99.9%)、5割がheavy infectionではなぁ。

7 件のコメント:

  1. うんこでは飽き足らず、ついに尿にまで手を出しましたか。
    でも、住血吸虫がいるってことは水は
    比較的きれいってこと?
    それとも、水質にかかわらずいるのかな。

    うじゃうじゃサンプルが取れるなんて
    研究者冥利に尽きる場所やね

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  2. 笑いごとじゃないけど、すみません、笑っちゃいました。

    少し前にテレビで現代の子供たちにアレルギーを持っている子が多いのは身の回りが清潔すぎるからだ、というのを見たけど。まさに真逆だね。
    日本ってホントに平和、つくづく思うわ~

    でも、私の後ろではOP室を繋がっているライブモニターに10歳にして家族性の網膜剥離になった子が全身麻酔で、そしてその隣では犯人を追いかけていて逆に犯人に轢かれて眼窩底を骨折した警察官が手術を受けているのが映っているのだ。

    平和と健康ってホント大切にしなきゃね。

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  3. 綾ちゃん:
    元気でやっていますね。毎日綾のブロクを見るのが楽しみです。
    まあ 色々のものを見ているんな事を体験し 想像を絶する事ばかりで何だか目の奥が熱くなります。
    日本では景気が悪いだの何のかんのと言ってる自分が小さく思います。地球の宝の子供達を数多く救ってください。
    綾ちゃんが事で私は誇りに思います。くれぐれも体には気を付けて毎日を充実してください。

    綾ちゃんのyahooメールアドレスも使えないですか?

    大城 幸盛

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  4. うわぁ絵まで描いてくれちゃってる(笑)。
    昔、フランスの林間学校でシラミを移された時に、母がシラミ取りをめちゃめちゃ楽しんでいたのを思い出した。
    「シラミの綱渡りだよ~」とか「あなたもすばっしっこいけど私の方がウワテね!」とかはしゃいでた。
    シラミ取りシャンプーなるものがあったんだけどね…。
    挙句は、完全退治に成功した後しばらく「寂しいな~。またもらって来て。」って。ヤダ。
    すみません。次元が違った。
    ステイ先の生活水は特殊設備があるの?

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  5. >あきらくん

    ははは。そうとも言う(笑)。日本住血吸虫のホストのカワニナはきれいな水じゃないと住めないけど、こちらの住血吸虫のホストたちは種が違って、汚い水にも生息できるようだす。サンプルがポジティブだとついつい「おっ」と喜んでしまいそうになるのが痛い。

    >hanamizukiちゃん

    すごい研究室(?)で働いているなぁ。特に目は聞いてるだけで、痛いよぉぉ。でも、網膜はく離とか眼なんとか骨折とか、Pembaだったら、助かる見込みゼロだなぁ。なにせ島に医者が1人もいないですから。手術できる外科医はもちろんゼロ。病院いっても、薬はほとんどなし。唯一の道は、飛行機に乗って、大陸へ・・・。ほんと、健康は何よりも一番大切だよー。

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  6. >大城さん!

    コメントありがとーございます!お元気ですか?お店のほうは最近どうですか?Pembaに「アンダジー」っていう名前のドーナツがあって、まさに「サーターアンダギー」なんです!沖縄・アジア・ザンジバルの繋がりを感じながら、昨日も好物アンダジーを食べてました(笑)。日本は本当に平和ですよー。みんな、小さな日々の雑事に文句言ってる場合じゃないぞーって思います(苦笑)。「誇り」だなんて照れます、照れます。自分の好きなことやってるだけですから~。Yahooアドレス使えますよ!数日後にジュネーブに戻ってから、メールします。

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  7. >シナコ

    自分で忘れないように、絵描いてみた(笑)。シラミ、私もいたよー。んで、母が毎日髪の毛から卵探してた。そういう世代です(笑)。

    我がステイ先だけでなく、多くの家には屋根の上に水タンクがあって、定期的にこのタンクに地下水が汲み上げられるんだけど、電気ないと汲み上げられないのよね。で、うちはまだジェネレーターあるからいいのだけど、他のうちはジェネレーターないから、いつも水が手に入るとは限らないし、大量の水を必要とする洗濯には、湖の無料の水を使うわけです。井戸がある人も井戸水大量に汲み上げるのって、労力使うしね。

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