2010年1月26日火曜日

ミャンマーから戻りました。

ヤンゴンは緑がとても多く、市内あちらこちらに黄金のとっても大きなお寺のストゥーパがにょきにょきと建っていて、それが夜になるとイルミネ―トされて、とても幻想的で美しいです。









ミャンマーは私にとって特別な意味のある国ですじゃ。
数年前に他界した私の母方のおじいちゃんは第2次世界大戦中、歩兵部隊としてミャンマーへ送られていました。そのおじいちゃんから生前、何度もミャンマーの話を聞いていました。当時、日本軍の戦況は芳しくなく、途中で食料供給も途切れると、ミャンマーのジャングルに駐屯していたおじいちゃんらには食べるものがなく、木の皮や昆虫で飢えをしのがなければならず、しかし現地のミャンマー人は日本兵らに対してとても親切で、時に鶏をさばいたり、米を炊いて分けてくれたりしたと。ミャンマーは人も自然もとても美しい国だから、いつかミャンマーを訪れてみなさい、と言われていました。私のいとこの名前はおじいちゃんが名づけたのですが、『ビルマの竪琴』を演じた中井貴一からとった「貴一」です。

おじいちゃんは生前、共に歩兵部隊として同じ町からアジア各地へ渡り、無事生還した同胞たちと共に、当時の記憶を冊子にまとめています。それには、日本からシンガポールを経由してタイまでたどり着き、そこから遥々ミャンマーへと徒歩で渡っていた長い旅路の描写があります。おじいちゃんと共に戦い、戦士した仲間の指を切り取ってマッチ箱に納め、日本に生還した際に、彼の家族に肩身として渡したことも書かれています。

そんなミャンマーへ、おじいちゃんの思いを胸にたどり着いたわけですが、祖父の話したとおり、ミャンマーは自然にあふれ、人々はまじめで親切。こちらでは保健省と一緒に仕事をしていたのですが、保健省のスタッフはみな、ディレクターレベルに至るまで、ミャンマー国内に蔓延る感染症の疫学状況や実際に行われている対策活動の進行状況などについて熟知しているし、会議もよくオーガナイズされていて、Impressiveでした。国外では、国の政治についてネガティブな報道ばかり聞くミャンマーですが、軍政の厳しい統制のおかげで治安は良いし、多民族国家がなんとかまとまっている。他民族国家には往々にして、それぞれのグループが独立する、或いは現政権を翻す機を見ている、という現状があるわけで、この軍事政権がなければ、今頃バラバラ・・・かもしれない?ミャンマーに限らず、多民族国家を統治するには、欧米のやり方(民主主義)をそのまま持ってきても、そう簡単には機能しないのかもしれないなぁ。と、車やタクシー移動の旅に、道中右に左に仏塔に囲まれながら、車内でこの国の未来について瞑想に耽るのでした。。。

6 件のコメント:

  1. いい話ですね。。。他界した私の父も、戦争経験者で、子供のころ、よく戦争の話を聞きました。祖父方の家族が、歩兵隊で日本から東南アジアに行き戦死したという当時の手紙を私が今も持っています。この歴史は、残すべきですよね。。  ほんと、いい話です。

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  2. >ちーえりさん

    コメントありがとうございます。海外、特に日本軍が侵攻した東南アジア諸国に行くたびに、知らなければならない歴史がたくさんあることに気づき、もっと勉強しなくちゃいけないなぁ、と反省します(学生時代、歴史ちゃんと勉強しなかったもんで・・・汗)。ビルマ人や戦死した若き日本兵を含め、たくさんの人の犠牲があってこそ今の日本があるんですもんね。ほんと、忘れちゃいけないです。

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  3. あやー、まみです。
    ふふ、実はしばらく前から読ませてもらっています。
    あやのと、フランスに住む従姉のブログは、遠く離れているのもあってしっかり「読み物」として楽しめるので、大好きでよく覗いてんの。
    今日のが特にImpressiveなのでついとび出してしまいました。
    毎日目の前のことに追われていると(おむつ替えやらごはんやら。りんもう歩いているよ!)、なかなかゆっくり考え事ができなくなります。
    ブレなく、目の前のことも、世界のことも見据えているあやの姿勢が好きです。
    またね。

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  4. >まみ

    うぉ~、まみだ~~。いやーん、読んでいただいているなんて知らなかったわ。てへ、照れます。でもコメントとっても嬉しい!ありがと! いやいや、世界を見据えてるなんてお恥ずかしい・・・。世界は知らないことや分からなんことに満ち溢れてて、自分の無知を知る毎日です。しかも普段は毎日の雑事に終われて、それほど考えることもなくあわあわと毎日が過ぎているのは、こちらも同じよー。ヤンゴンは移動が多かったもんで、もう考えるしかない、ってわけだったのです(笑)。

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  5. 写真からも、ミャンマーの美しさが伝わってくるよ。

    そういう話は、これからもずっと語り継がれていって欲しいね。

    『ビルマの竪琴』はとっても強烈に印象に残っています。
    今もう一度見たら、また違う感想を抱くかな。

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  6. >aya laughちゃん

    実は私、『ビルマの竪琴』、恥ずかしながらちゃんと読んだことも映画を見たこともなくって、そしたら、泊まってたホテルに、その英語版があるのを、一緒に行った同僚が見つけてくれて(UNESCOが英語版を出版してた)、向こうにいるときに読み始めたの。残念ながら読みきることはできなかったんだけど、ストーリーの最初からとても引き込まれたので、こちらで英語版を探してみようと思ってるよ。

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