普段は検便なんだけど、昨日は検尿。住血吸虫という寄生虫がいて、スワヒリ語でKICHOCHOっていうんだけど、簡単に言えば、その幼生がいる淡水の水(川とか湖とか)に触ると、皮膚を通して人間の体に進入してくる危険物で、これは便よりも尿に卵が出てくる。
下の湖は一例。うじゃうじゃいます。で、みんな、ここで洗濯して、体洗って。ちなみにみんな、住血吸虫の存在は知ってます。でも「危険だよ」って言ってもみんな口をそろえて「でも、私たちは一度も病気になったことないから、大丈夫。」って。んー、そうか、なら良いか・・・いやいや、良くない。
このカイの中で、幼生が感染形に変身します。
で、ある小学校に行って、適当に生徒10人集めて尿をもらってラボに戻り、検尿すると、うおー、卵いるいる。小学校の先生が「うちの学校の感染率は99.9%です!」と誇らしげに言うのを聞いて「そりゃ、さすがに言いすぎでしょー。しかも、そんな誇らしげに(苦笑)」と思ってたんだけど、10人中感染者5人、しかもheavy infection。
で、スライドガラスにのっけた尿サンプル(正確にはろ過したフィルター)に水を一滴たらすと、すごい!その卵たちが刺激されて、卵の中の物体がくるくる、すごいスピードでまるでUFOか何かのように回転を始めて、そのまま1分くらい顕微鏡を通して見続けてると、突然卵の殻から飛び出て、これまたすごいスピードで泳ぎだす!もはやスライドガラスの上がスイミングプールのようでした。うじゃうじゃ、あっちからもこっちからも、住血吸虫の幼生が泳ぎまくる。。。由々しき結果ではあるものの、正直感動して顕微鏡からしばらく離れられませんでした。

でも、この感染した子供たちのおしっこから、毎日毎日大量の卵が外界に排出されて、感染を広めていってると思うと・・・・あ~、がっくし。こりゃ、なんとかせにゃならん。
で、ステイ先に帰宅してイタリア人医師Stephanoに報告すると(毎日夕食の席で1日の報告をする)頭を抱えて「30年前からほとんど改善してない!なんでだ~」と嘆いておりました。正確には、多少は感染率下がったものの(当時は本当に99.9%)、5割がheavy infectionではなぁ。